このところ、頻繁にニュースで報じられている問題は、様々な事象が複雑に絡み合い、全体像が曖昧になっている。
複雑になっているということをもって、また〈何が正しく、本当なのか〉が有耶無耶になっていくのだろうか・・・
幾何学に「フラクタル」という概念があって、〈ある形の一部分を拡大すると、全体像と相似している〉ことを指す。例えば自然界の樹木、雲、海岸線などにみられるが、これは人間の営みにも当てはまるところがあると思う。
つまりこの問題は、ある一部分に焦点を当ててみさえすれば、その全体像を掴みとることが出来るのではないか。ある一部分とは“一個人”、全体像は“人間社会”とも置き換えられる。
生くる世の十万悪邪かなしみに似て花々の蕾ふくらむ 馬場あき子