ライティング、ときどき書作

書家にとって、明治以降における表現とは何だろうか。来年1月掲載の記事用に、新年を迎えるのだからと、そのような大それたことをテーマに据えて、原稿を書き始めている。

最近はこれとは別に、大掛かりな原稿も平行して手掛けていて、特にここ1ヵ月は、朝も夜も無いくらい、パソコンに向かっている。
私は書家なのか、それともライターなのか、なかなか筆を持つ時間の無い自分に戸惑っている中、このままあっという間に年末年始、そして平成が去っていくのではないかと思うと、少し不安になる。

まぁ抗うこともないのだけれど。

それはそれとして、先月は毎年恒例の生徒主催による書道合宿が行われた。
私の役目は、一人ひとりの生徒に合わせて、多種多様な手本を書くこと。

パソコンによる原稿作成に埋没していた私は、手本を書くということを通して、書に向き合う時間を創出出来、それはいい気分転換だった。
“気分転換”というと、主と従が逆転してしまっていることになるけれど、自分にとっては得るところが大きかった。

何より筆を持つ楽しさを味わえた。だから変な自意識も働かずに、様々な詩句、成句を、各書体ごとの書法をキチンと踏まえながら、スッと書くことが出来た。

案外このあたりの書に、私らしさというものは表れているのかもしれない。

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