特別な日、特別な人、特別な物

「こうでなければならない」。
そんなことに、昔から私はどこか懐疑的だった。
このシーズンは、なんといってもクリスマス。ケーキにキャンドル、シャンパンに七面鳥、お店の棚にもキラキラとしたクリスマス関連のアイテムがずらりと並ぶ。
ただ、物価高の世の中で、皆、様々な問題や事情を抱えている。
だからモノに対する価値観も、数年前とはだいぶ異なっているような気がする。

自分のことで振り返れば、先日クリスマスプレゼントということではないけれど、今年もいろいろと難しい局面で力になってくれた人への、ささやかな贈り物を探しに出かけたときのこと。
行先は、随分久しぶりとなるザ・コンランショップ。
創業者のテレンス・コンラン卿がコロナ禍終息の頃に他界されたこともあり、今は日本での経営責任者が変わられたということも何となく知っていた。
昔は、元気をもらいに、よく新宿本店へ遊びに行っていたものだった。
遊びにというのは、手が出ないような金額の家具が配置された空間ではあったものの、細々とした生活雑貨に至るまで、コンランさんの目が行き届いたセレクトの数々は、全て質も美意識も高くて、私にとってはとても学ぶことが多い☞特別な店だった。

けれども、しばらく足を運んでいなかったうちに、丸ビルにあった丸の内店は☞新丸ビルに移転して、品ぞろえも含めて、コンランショップは様変わりしていた。
それは昔のように圧倒される感じではなく、どちらかと言えば身近で等身大な感じ。今という時代の空気感を反映してのことなのかもしれない。

ところで、お店では事前にWEBで関心をもったいくつかのグラスを、店員さんの許可をもらって、一列に並べて見比べてみた。
やはり直接目で見てみると、色合いや質感はWEBで見た感じとは全く違う。
私はこれにしようと決めた後、自分の控えとして携帯で写メも撮らせてもらうことにした。

するとそのとき、一人の女性が近寄ってきた。そして、撮影する私の方をまじまじと見ている視線を感じた。
「あぁ、私と同じグラスに興味をもったのだろう」と内心思い、グラスを撮り終えて女性を振り返ったところ、思いもよらないことをその女性から言われた。
「その携帯いいですね」。
以前、このブログにも書いたことがあるけれど、私は15年くらい前のガラケーを今も大切に使っている。
もう、来年の3月にはFOMAが終了となるというのに。
ここ1年くらいは、携帯を使う度にそのアナウンスをキャリアから聞かされていて、少し辟易もしている。

「カッコいい。私もそのガラケーが欲しい」、彼女は私にそう言った。私は「最近、ドイツでは、パナソニックが最新型のガラケーを新発売するなど、ガラケーのブームが起こっているようですよ」と、その後、ガラケー談に。
いつもなら「早くスマホに換えなよ」「LINEが使えないから変えてください」などといわれるところを、コンランショップに来店した人にガラケーを好意的に見てもらえて、私は嬉しくなった。

その女性が語っていたのは、スマホには全く使わないものも含めて、多種多様なアプリがありすぎるとのことだった。私は私で感触のないタッチパネルでは得られない、ボタンを押すという指先の感覚を大切にしたい。

そういえば、コンラン卿が語っていた豊かな暮らしのセオリーは、「Plain Simple Useful」だった。
そんな言葉に、愛と和平の心を込めて。
良いお年をお迎えください。

感謝の対象

新年のご挨拶

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