受験シーズン

1月も最後となりました。夜は底冷え、昼は晴れたり曇ったり、気まぐれな天気が続いています。あたかもそれは受験シーズンの学生の心模様のようです。

そこで、私の大学受験の頃を思い出してみることにしました。当時、私も進学についてはいろいろと悩んでいました。ただ、はっきりしていたこととしては、自分が「専門性」のあることをしたいという意志があったことです。そして、学校の先生や習字教室の先生、両親にも相談して、当時、日本で唯一の書道研究所があって、書道を専門的に学べる大東文化大学への受験を単願で決めました。単願というのが、いかにも私らしいなと改めて思うのですが。

試験は教科の他、実技もあり、面接もありました。実技は自分で書く書道の書体も選択できましたので、隷書とかなを書いたと思います。面接は、近代文学の作品について、自分なりの見解をいろいろと聞かれ、話したことを覚えています。面接官をしてくださった教授と、夏目漱石の話をめぐり、そうとう気持ちが高揚して話をしていたと思うのですが、途中で口論めいた様子となってしまいました。ですので、半ば諦めかけていた合格通知を頂いた時には、本当に嬉しかったです。

でも、言ってみれば大学進学というのは、ほんの入口でしかありませんでした。書道は書くことだけではなく、3000年という文字の歴史を研究していく“学問”であるということを知ったからです。こうして振り返ってみるということをしても、過去よりも、この先に道は果てしなく続いていて、今も懸命に歩き続けています。

道の途上で

継ぐモノたち

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