新年会

無印良品の販売が海外で思わしくないという記事を読んだ。価格帯を下げたことにより、ブランドの価値も下がってしまったという。
中国をはじめアジアでの無印良品は、価格が少し高くても高品質で憧れのブランドとして、とても好評だった。ところが、海外展開をより拡大してゆく為に価格を下げ、さらに価格を下げる為に日本以外の国々に生産ラインを求めていったところ、中国の消費者には、普通の商品とさほど変わらないという認識を持たれてしまったそうだ。

無印良品は私も時々利用する。生活雑貨というより珍しい食材などを購入するのだけれど、パッケージにお金をかけず、そこでコスト削減をはかることによって、安価で良いものを提供するというコンセプトが気に入っている。
とはいえ、そんな無印も企業である以上、どこまでも利潤を追い求めるという資本主義の法則から抜け出せずにいるのなら、少し残念。

ところで先日、久しぶりに友人同士で会い、ある居酒屋で新年会を行った。
店内は狭くて簡素そのもので、お通しも出されない(その分の料金は加算されない)。勿論、店の理念などといったものも掲げられていない。

その店は予約無しではまず利用できない人気店。
料理(といっても全てがシンプル)の味が良いことは言うまでもないけれど、人気の秘密はそれだけではないような気がした。
そこかしこからの呼び声で慌ただしい中、店員さんは狭い通路を鮮やかな身のこなしで、オーダーを手書きで正確に記入し、おすすめを聞けば丁寧に答えてくれる。
そそっかしい私はお箸を2度も落としてしまったが、その都度さっと替えのものを出してくれた。

“お金で買える物”というより、“お金に換えたい心遣い”。
店員さんは料理を一段とごちそうにして運んでくれた。

新年、明けましておめでとうございます

What is Nippon?

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