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精錬なる美

「読売家庭版」は1965年(昭和40年)の創刊から、旬な話題や季節に合わせた特集で、長年親しまれてきた生活情報誌。この度、記念すべき600号を迎えられた。そして、その歴史の中で、意外にも「書道の特集」というものは無かったそうだ。年賀状のシーズンに合わせて特集を考えたいというご相談を頂いたのが5月。半袖姿に涼しさを感じ始めた頃、撮影と編集作業が行われて、この月末から配布される運びとなった。タイトルは「美しい文字」。書道の魅力を、“文字”の魅力という観点から、7Pにわたって分かり易く凝縮できたと思う。

私たちは普段、文字を当たり前のように目にしている。私のこの拙い文章も然り。今でこそ日本語を示すものとして、当然のように「平仮名」と「漢字」は存在している。だが平安時代に漢字を崩すことによって平仮名が紡ぎ出され、それより遡ること古墳時代に大陸から漢字が伝来する以前は、日本に文字は無かった。さらに学校では習わないが、特に漢字が生み出された古代中国に目を向けていくと、そこには「漢字」をめぐる壮大なドラマが存在している。

昨今は文字が存在する環境や道具も様変わりし、書道は門外漢だ、手書きは面倒だという人も多い。またその一方で、直ぐに上手く書けるようになりたいという動機も現代的ではある。

それでも、紀元前2000年より前から、一文字、一文字に込められてきた人間の記憶は、確実に現代に生きる私たちまで受け継がれている。先人たちによって磨きぬかれてきた文字を、手書きによって触れることは、精錬な美に触れるということでもある。書家という立場から、悠久なる「文字のロマン」を垣間見て頂きながら、書くという楽しさを様々な側面から感じて頂ければと願い、この特集を監修させて頂いた。

精錬なる魂

※「読売家庭版」は、主に読売新聞を購読されている方を対象に、東日本エリアで300万部、無料で配布されています。入手をご希望の方は、読売新聞 販売店にお問い合わせください。

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    清らかなるものvol.2

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