シルバームーン

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先日、東京国立博物館で行われたFENDIのファッション・ショーにご招待頂いた。書家である私などが、このような華やかな場所に行くのは場違いのようにも思え、少し気後れもした。ただ今春に☛「FENDIの日本上陸50周年」のキャンペーン題字をご依頼頂いたこともあって、お声掛けくださったのだろうと思い、勇気を出して出席させてもらった。

ファッション・ショーを生で見るのは何年振りだろう。確か前回見たのは東京コレクションで、ドメスティックなブランドでもあったので、日本人のモデルさんたちが起用されていた。今回はほとんどが外人あるいはハーフのモデルさんたちによるもので、それはまるで異星人(と言っていいのだろうか)、あるいは未来人に遭遇したかのような強烈なインパクトがあった。

そしてこのショーは「シルバームーン」と題されており、“架空の鳥”のひな鳥から成鳥までが表現されていると伺った。
〈鳥〉と言えば、漢字のルーツである象形文字では、鳥の全形が表わされている。またそれを省略した字に〈隹(ふるとり)〉があり、一般に〈とり〉の意味として用いられている。それが時代を経て〈雅(みやびやか・ただしい)〉という字にも繫がっている。唯一の〈唯〉という字にも、〈隹〉が含まれているが、それは祝祷の器〈口〉に祝詞を入れて神に祈り、その鳥の動きで神意をうかがうという、鳥占いに由来する。
古代中国では〈鳥〉は祭祀の対象であったが、洋の東西を問わず、人を鼓舞させる〈鳥〉には、神聖が宿っているのかもしれない。

アフターパーティでは、同じ事務所の福島リラさんと久しぶりに会って談笑した。いまやハリウッド映画や全米のドラマでも活躍のリラさん。ここしばらくは日本にいるということで、近いうちにゆっくりと食事でもしようと約束した。彼女の生き方や感性も、羽ばたく鳥のように!東洋も西洋も超越している。

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