先日は、3月に行われます、東京ミッドタウンでの公開揮毫に備えて、筆の具合い、紙の大きさ、躰の動かし方等を確かめるため、リハーサルを行ってきました。
公開揮毫というのは、「席上揮毫(せきじょうきごう)」とも言い、人前で書の実技を披露することで、書道においては伝統的に行われているものですが、揮毫とは文字通り、「毫(ふで)を揮(ふる)う」という意味があります。そこには、「振舞う(ふるまう」 ことにも繋がる意識があるように思います。
日本にはもともと「おもてなし」という文化がありますが、茶道の精神でもあるこの言葉にそって言うなら、ただ自分の作品を見てもらうために書けば良いというものではなく、「一期一会」の場として、ご観覧頂く方に対して、最善を尽くすものでなければなりません。自分としては、書作というものの美しさ、奥深さを直に感じて頂く機会ではないかと捉えています。
くしくも東京ミッドタウンで行われるイベントは、観光庁が主催する、外国人観光客の方々を招いて行われるものとのこと。日本人のこのような精神文化を知ってもらえるように、書家としての務めを、精一杯果たしたいと思っています。