今年は5回ほど京都に行く機会がありましたが、先月、京都府庁での公開揮毫が終わったその足で、前から行きたいと思っていた、「松楳園(しょうばいえん)」という書道用品店に行ってきました。
路地裏にあってこじんまりとしたお店で、探していた紙が一反(たん)だけありました。別棟の倉庫の奥から引っ張り出してきてもらい、かろうじてあったもので、もうこの紙は製造していないということで、値段がすぐに出ないということでした・・・
ということで、近くにあったカフェで待つことに。そこは、時間の経過によって生まれた深み、手作りによる温かみが相まった素敵なお店でした。
そこでコーヒーを飲んで、一息つきながら、実際に自分で足を運び、自分の目と手で確かめながら、お店の方にもいろいろお話を伺い買い物を楽しめたことや、それを丹念に作られた方がいるということにも思いを巡らせました。
筆墨硯紙(ひつぼくけんし)は、書作する上で、作品に少なからず影響を与えます。筆は毛の種類が羊、馬、いたち等いろいろとあり、墨はワインと同じように製造されてから年月がたった“古墨”といわれるものが良いとされ、硯もどこで採掘された石かということや、垂らす水の種類が硬質か軟質かにより墨汁の風合いも変わってきます(エビアンしか使わないという書家の先生もいます)。
一つ一つの道具にこだわり、それにまつわるストーリーを知っていくこと、これも書道の楽しみの一つと言えるかもしれません。ちなみに、私が購入した紙は一反で6,800円で、お店の方が定価より1,000円おまけしてくださいました!
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