一休宗純

一休宗純

書 木下真理子

現在、五島美術館で『一休‐とんち小僧の正体-』という展覧会が開催されている。HPのキャッチコピーには、〈破戒の禅僧一休宗純(1394~1481)。社会への鋭い風刺に満ちたその奔放な書画や詩が人々を魅了する。一方、「とんち小僧」という虚像はどのように生まれてきたのか。(中略)一休伝説にも光をあて、その全貌を捉えようとする展覧会〉とある。

私はかつてTVアニメーションで放送されていた『一休さん』を見ていないので、あの可愛らしいイメージがどうもピンとこない。書道の世界では、「尊林号」の墨跡で知られ、香道の世界でも「香十徳」を広めた人物。彼の弟子は村田珠光であり、珠光の弟子のさらに弟子は、あの千利休。稀代の文化人であることには違いない。ただ仏教で禁じられている飲酒・肉食・女犯りの戒律を破り、風狂に生きた人でもあり、残されている肖像画は枯れた渋顔の印象だ。もとは後小松天皇の御落胤、上流階級の出である。いずれにしても、一筋縄ではなかった、彼が生きてきた軌跡を、この展覧会で辿ってみたい。