少年

先日、地下鉄の表参道駅に降りた時、ある男性ファッション誌の新創刊の告知ボードが目にとまりました。そこには、“シティボーイのABC“と書かれていました。60年代のアイビールック、70年代のロック&フォークスタイル、80年代のDCブランド、90年代のストリートカジュアル、00年代のハイエンド・モードと、時代毎に、新しいファッションの流行はあったと思いますが、ここ数年はとくに目立ったムーヴメントは起こっていないような気がします。私自身が流行とは本当に無縁の生活をしてしまっているので、気づいていないこともあるかもしれませんが、それだけでもないように思います。

昨年の大震災と原発事故、その前のリーマン・ショック、更にその前から続く規制緩和政策による格差問題など、世の中に、先の展望が見えず重苦しい空気が蔓延しているということが、要因としてあるのではないでしょうか。なので、なおさら、“シティボーイのABC“という、日本がかつて活気に満ちていた頃を思い起こさせるようなコピーに、目がとまったのかもしれません。

サブカルチャー、カウンターカルチャーは、若者による、世の中の風潮や常識に抵抗する姿勢を表しているものだと思いますが、そんなカルチャー自体が息絶えてしまっているともいえる昨今において、この広告を見て私が感じたことは、かつて少年だった(今も少年の心を持ち続けている)大人達による“静かな抵抗”でした。

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