自ずと然り

3月は「弥生」と呼ばれるが、“弥”には、いよいよ、ますますという意味があるから、草木が芽吹く季節という意に繋がっているのだろう。

地中からむくむくと芽が出る、それもあちらこちらで。何の疑問も抱かずにいるけれど、よくよく考えてみれば、それは凄いことで、地球そのものが一つの生き物であるとイメージ出来る。人間はその細胞であり、果敢に意志を持って生きていると思っていても、やっぱり生かされているという側面が同時にあることは、自ずと然り。書家としては、書には必ず他力が働いていると実感している。

思うようにいかないことがあって、それは自分だけではないかと思ってみても、俯瞰で捉えれば、それは自分にだけ当てはまる特異なことではない。

物理学でも、宇宙の原理は、〈右へならえ〉を押し付けられた秩序とは違う、“エントロピー(乱雑、不規則、不確実)”の増大であると言われているのだから。

自ずと然り

会所プロジェクト

パンの季節

関連記事

  1. 残暑お見舞い申し上げます

    2020.08.14
  2. 大人の夢

    2024.06.05
  3. 展覧会の見どころ

    2014.07.05
  4. 信頼とスピード

    2015.01.09
  5. 雪のち、晴れ

    2013.02.14
  6. 優しさと柔らかさ

    2020.05.28
PAGE TOP