春にして思うこと

ポカポカとした陽の光が人を誘う季節。春風のような出来事が続く。
最近、私の書道教室にお父さんと小学1年生の娘さんが一緒に書を学ばれようと入られた。また別な親子連れも“体験”に参加された。
親子のコミュニケーションの一助を書道が担えるのなら嬉しい。

スマホやタブレットが全盛になって、筆圧の加減が分からず、カーボン用紙で文字がうつせない子供が増えているという記事を新聞で読んだことがある。
自らの身体で直接捉えるという感覚は、人間の本質的な能力。書道を通して手先の器用さも養われることは、〈手に勝る道具は無い〉と言われるように、その人の強みになる。同時に、物事をコツコツと自身の思考を通して進める、集中力と持久力も身に付くはず。

ところで、これも最近の教室での出来事。

急遽用事が入ってしまい、教室を途中抜けしなければならなくなってしまった。あらかじめ分かっていれば、こういう時には妹弟子に代稽古をしてもらう。今回は突発的だったこともあり、昨年「師範」になった“生徒”の一人に、はじめて代稽古をお願いした。
普段は一緒に学んでいる仲間の一人が、みんなの書を客観的に見て、添削する。その時、教室はいい雰囲気だったという。

性別や年齢(私の教室では7歳から84歳)を超えて、一人ひとりが自分と向き合いながら、切磋琢磨もしてゆく中で、自然に良い人間関係が築かれる。
こうした人と人との絆こそ、何ものにも代えがたい人生の財産。

はやくも関東では桜が散りはじめた。来週からは新学期。

冷たい現実

働き方の価値観

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