日中は暑く夏の気配でも冷ややかな空気が漂う夜半。本を読む。
近頃はインターネットで電子書籍を購入して、タブレットで読むことも多くなった。
私は基本的にアナログ人間だけれど、電子書籍の便利さにも恩恵を受けている。
一番有難いと思うのは、文字がデータ化しているので、気になったキーワードを打ち込めば、ヒットするページが直ぐに表示されること。文字の大きさも自在に調整出来るので、難解な書物を読む時などは、いくぶん気持ちの負荷が軽減される。
それでも紙を指でめくりながら、作家の息遣いが感じられるような感覚は、電子書籍では得られていない。
たしかに薄いタブレットは数多くの本がデータ収納出来て合理的ではあるけれど、机の横に積んである本を眺めるにつけ、書物という荘厳な存在と自分が向き合っていることが感じられる。
いつの日にか、紙の書物は無くなってしまうのだろうか。
日々の生活の中で、読むという行為が少しずつ変わり始めている。