わざっぷ

わざっぷ『わざっぷ』というイベントに参加してきました。このイベントは、日本の伝統文化を見直し、日本のこれからをみんなで考えようというものです。イベントを手掛けられているのは、中村紺哲さん、桐島ローランドさんたちです。今回のテーマは「暖簾と紋」ということで、日常生活で消えかけている暖簾のある風景を写真家の高井潔さんに、また、紋の歴史と意義を紋章上絵師の波戸場承龍さんにお伺いするというものでした。「紋切形」のワークショップでは、紙をどう折ると36度という角度が出来るのかなど、その叡智に感嘆し、先人の素晴らしい発想力の一端に触れられた、貴重な体験をさせて頂きました!

 

ところで、ローランドさんとは昨年もちょうど同じ時期にお仕事をさせて頂きましたが、その時は撮影のお仕事だったので、あまりお話し出来ませんでしたが、今回はいろいろとお話しました。ローランドさんは日本の良いところは「機能美」にあると思うとおっしゃられていましたが、納得です。情緒的で流麗、崩れゆくはかなさを求める古来日本人の美意識とともに、畳や格子戸、障子などに見られる、均等で機能的なものを求める感性も、日本人は持ち合わせていると、私自身も思いあたるところがあるからです。紙を折るという行為もそうですよね。

また、真っ当な日本文化、それも消えかかっているものにこそ、国はサポートする必要があると、そんなお話もしました。よく、伝統芸術と、職人さんによる伝統工芸とは区別されて扱われていますが、いずれも卓逸した「技」を持っているという共通点があり、その日本ならではの繊細な手仕事は、ともに世界に誇れるものだと思います。私などが言うまでもありませんが。

さて、『わざっぷ』というイベント名ですが、由来を中村さんにお聞きしたところ、日本語の「技」と英語の「what’s up?」を掛け合わせた造語だそうで、外国人には「わざっぷ」と言うと「ワッツ・アップ」、“最近はどう?”と伝わるそうです。

展覧会の見どころ

梅雨晴

関連記事

  1. 自由の彼方

    2021.11.17
  2. 去りゆく夏

    2015.09.04
  3. INTERVIEW

    2016.11.11
  4. 美文字のルーツ

    2013.03.01
  5. 暗闇の中の煌めき

    2016.12.05
  6. 熊野“筆”巡礼 筆の里工房

    2016.09.12
PAGE TOP